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土の状態を表す諸量

土の状態を表す諸量とは
土は水分が多いとドロドロの状態に, 少ないとサラサラまたはカチカチの状態となる。また,締まり具合やすき間 (間隙) の大小で硬さや圧縮性が大きく変化する。このように土の状態は右図に示すように水の含み具合,締まり具合,すき間の量に依存する。 
土は右下図に示すように土粒子(個体),水(液体),空気(気体)の3成分より構成されており, その体積,質量の構成割合から次式のように土の状態を表す諸量を数量化して表している。
図-3.1 土の状態の考え方

土の状態の考え方


①~③は試験で直接測定される値であり、④~⑥はこれらをもとに計算で求める。

図-3.2 土の構成の模式図

土の構成の模式図

・含水比
含水比wは,式(3.1)で定義されるように土粒子の質量に対する間隙に含まれる水の質量の割合を百分率で表わしたものである。この値は次の2種類の方法で求められる。
  ①炉乾燥法:110±5℃の炉乾燥によって水を蒸発させて求める方法
  ②電子レンジ法:電子レンジによる加熱で水を蒸発させて求める方法

    ※当センターは主に炉乾燥法を使用します。
・土粒子の密度

土粒子の密度ρsは,式(3.2)で定義されるように土粒子部分のみの単位体積質量である。 土粒子質量は炉乾燥して求め,その体積はピクノメーターを用いて同体積の水の質量を測定することで求める。

・湿潤密度

湿潤密度ρtは,式(3.3)で定義されるように土全体の単位体積質量であり,自立する塊状の土を対象とし,その体積と質量を測定して求める。体積の求め方は次の2種類がある。
  ①ノギス法:円柱形に作製した供試体の寸法をノギスで直接測定して体積を求める方法
  ②パラフィン法:供試体周面にパラフィンを塗布し,塗布前の質量と見かけの水中質量から体積を間接的

          に求める方法 
      ※当センターは主にノギス法を使用します。

 ・代表的な土の測定例

土の種類

含水比

w(%)

土粒子の密度

ρs(g/cm3)

湿潤密度

ρt(g/cm3)

沖積粘土 50~80 2.5~2.75 1.5~1.8
洪積粘土 30~60 2.5~2.75 1.6~2.0
砂質土 10~30 2.6~2.8 1.6~2.0
関東ローム 80~150 2.7~2.9 1.3~1.5
泥炭 110~1300 1.4~2.3 0.8~1.3
まさ土 6~30 2.6~2.8 1.5~2.0
しらす 15~50 2.3~2.5 1.0~1.7

出典:地盤工学会 土質試験基本と手引き(第二回改訂版)P17

 

土粒子の粒径区分と呼び名

                  粒 径(mm)

 

 

 

 

 

 

突固めによる土の締固め試験

 土構造物の造成で、強度、支持力、遮水性などの改善を目的として土の締固めが行われる。

この試験では、異なった含水比(通常6段階以上)の土を締固め、乾燥密度との関係から最も効率的に締固め得る含水比を求める。これを最適含水比wopt、その時の密度を最大乾燥密度ρdmax、この曲線を締固め曲線という。通常、乾燥密度と含水比の関係は右図のように上に凸な曲線を示す。

試験の実施の際は、造成される構造物や土の種類、粒径に応じてこれらのうちいずれかの試験法を選択して、例えば「E-b」法などのように用いる。

締固め曲線

突固め方法の種類

試料の準備方法及び使用方法の組み合わせ

a法

乾燥法で繰返し法

一般的な土質で、乾燥による影響がなく、粒子破砕が生じにくい土に適用する。

b法

乾燥法で非繰返し法

まさ土のように粒子破砕が生じやすい土や水となじみにくい土に適用する。

c法

湿潤法で非繰返し法

乾燥処理が結果に影響を及ぼす火山灰質粘性土や凝灰質細砂のような土に適用する。

 

なお試料準備方法の詳細は下記の通り。

乾燥法 採取した試料を一旦乾燥させてから順次加水して所要の含水比とする方法。
湿潤法

採取したときの含水状態を原点とし、乾燥または加水して所要の含水比に調整する方法で、乾燥法のようにいったん乾燥処理した後に加水して含水比の調整を行ってはならない。

繰返し法 準備した同一試料を毎回の突固めに用いる。
非繰返し法 毎回新鮮な準備試料を用いる。

 

土の三軸圧縮試験

三軸試験はせん断力を間接的に求める試験である。異なる応力条件で複数の試験を行い、せん断強さτfが垂直応力に比例するというクーロンの式

    τf=c+σtan∮

から強度定数(粘着力:c、せん断抵抗角:∮)が求められる。

しかし、土のせん断力は垂直応力だけでなく、それによって圧密させるか、またせん断時に体積変化(間隙水の出入り)を許すか否かで大きく変化する。

そこで下表に示すような排水条件を設定し、現場条件に合った試験を行うことが必要となる。

 

試験の種類と試験結果の利用例

試験の種類

圧密過程

せん断過程

求められる

強度定数

試験結果の利用例

非圧密非排水

UU試験

非排水 非排水 Cu、∮u

・粘性土地盤の短期安定問題

・支持力・土圧の算定

圧密非排水

CU試験

排水 非排水 Ccu、∮cu、su/p ・粘性土地盤を圧密させてからの短期安定問題

・強度増加率su/pの推定

圧密非排水

CUbar試験

排水

非排水

(間隙水圧測定)

Ccu、∮cu、su/p

C’、∮’

・上記及び有効応力解析用の強度定数

圧密排水

CD試験

排水 排水 Cd、∮d

・砂質土地盤の安定問題

・盛土の緩速施工など

 

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